植毛 大阪 親和クリニック 自毛植毛 大阪コラム 【公式】

コロナ禍の酸素不足が毛髪に与える影響

新型コロナウイルスの感染拡大のために、外出自粛と飲酒の自粛が求められるようになり、特に変異株の感染が拡がっているために、これまでの対策では通じなくなっていることを実感している人も多いかと思います。マスクをつけていれば、3密を守らなくても大丈夫と考える人も少なからずいましたが、同じような対策をしても少しのウイルス量で感染する、若い人も感染しやすい、重症化しやすいということになると、確かに常識だと思っていたことが通じにくくなっています。

 酸素不足で養毛剤の効果が弱まる

これは毛髪についても言えることで、頻繁な洗髪や養毛剤の使用、マッサージなどで薄毛対策ができると思っていた過去の常識が通用しにくくなっていると感じている人も少なくありません。goodbody株式会社が実施したアンケートでも、男性100名のうち養毛剤を使用したことがあるのは73.0%もいたのに、「育毛ヘアケア商品を使用して効果を感じましたか?」と質問したところ、「とても効果を感じた」が4.5%、「効果を感じた」が9.1%と非常に少なく、「効果を感じなかった」が59.1%、「全然効果を感じなかった」が27.3%、効果を感じなかった人が86.4%にも達していました。これも過去の対策が通用しなくなった結果といえます。

今回の調査結果は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を反映していると確定的に言えるわけではありませんが、マスクと外出自粛、ストレスの影響は少なからずあるはずです。マスクをしていると酸素が充分に入ってこなくなるうえに、本来なら吐き出されているはずの二酸化炭素の一部を再び吸い込むことになるので、どうしても体の中に入ってくる酸素の量が減ってしまいます。

毛髪の成長を担っている毛母細胞は、エネルギー源のブドウ糖と、エネルギー代謝成分のビタミンB群などの水溶性ビタミン、酸素を使ってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を発生させています。このATPからリン(P)が一つ外れてADP(アデノシン二リン酸)になるときに細胞の中でエネルギーが作られています。このエネルギーを使って毛母細胞は増殖して毛髪を伸ばしています。

酸素がなくてもATPが発生しないわけではないのですが、酸素がない状態ではブドウ糖1分子からでも2個のATPが発生します。それに対して、酸素が使われたときにはATPは36個も作られます。このように酸素があるのとないのとでは、発生するATPの量が大きく異なってくるのです。

マスクをつけないときには深呼吸

体の中に入ってくる酸素が減っても、酸欠状態にまでならないと本人は気づきにくいところがあります。普通に歩いている程度でも運動量は安静時(動かないとき)に比べると3倍ほどの酸素を取り入れています。早歩きでは4倍になり、階段の上り下りや軽いジョギングでは6倍に、ランニングでは8倍になります。早歩き以上の負荷がかかると酸素を多く取り入れないといけなくなることからマスクをしていると少し息苦しさを感じるようになります。

酸素が不足すると息苦しさを感じるのは、酸素不足で身体の負荷を補うだけのエネルギーが発生しないからですが、早歩き程度では体が重く感じたり、心臓が苦しくなったりしないという人が多くなっています。というのは、酸素が不足して、その代わりに二酸化炭素が増えると血流が盛んになって、酸素が早く運ばれるようになるからです。これは体内で不要となった二酸化炭素を早く排出するために血管が拡張するからで、そのために酸素不足が始まった段階では、そのことが実感しにくくなっているのです。

私たちが吸い込んでいる空気の酸素濃度は約21%で、肺で酸素を取り込んで約15%の酸素濃度の空気を吐き出しています。この差が二酸化炭素です。よく酸素を吸い込んで、二酸化炭素を吐き出すという表現がされていますが、正しくは二酸化炭素が少ない空気を吸い込んで、二酸化炭素が多い空気を吐き出しているということです。

吸い込む空気の酸素濃度が16%になると息苦しさなどの自覚症状が現れて、濃度が低くなるほど状態が悪くなり、10%を下回ると意識不明などが始まり、それ以下では死の危険が生じるとされています。

マスクをしたからといって、ここまでのことは起こらないものの、本来なら口から吐き出されるはずの二酸化炭素がマスクの中に残り、これを酸素と一緒に吸い込むことになることから、わずかであっても体の中に入ってくる酸素の量が減ります。

呼吸数は1分間に20回として、1日の呼吸数は2万8800回にもなります。1日中、ずっとマスクをつけているわけではないとしても、マスクをしたままの生活は呼吸が浅くなっているのと同じ状態です。これを改善するには呼吸が深い状態になればよいわけで、そのための簡単で効果がある方法としてすすめられるのが深呼吸です。

マスクをつけていると酸素が不足して、毛母細胞が活性化していないことを想像して、マスクを外したときには毛母細胞に多くの酸素を届けるために腹式呼吸で深呼吸を繰り返すようにしたいものです。

酸素不足による毛髪への影響は、薄毛の部分だけでなく、正常なヘアサイクルが行われている部分にも起こっています。将来的に自毛植毛を考えるときに、移植する部分の毛髪ができるだけ元気で成長させるためにも、酸素を多く取り入れることは大切なことなのです。

 

薄毛事情アンケート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000069414.html

腹式呼吸
http://www.wakunaga.co.jp/health/month/post_54.html