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白髪のメカニズムが解明された

白髪を見つけたときには、抜かず根元から切るか、染めることがすすめられます。それは抜くことによって毛根が傷んで、生えなくなってしまう危険性があるからですが、一般には「白髪は抜くと増える」と言われています。
白髪は抜くと増えると言われると、そのままにしておこうと考える人が増えて、それが将来的な薄毛予防になるということがあるので、抜くと増えるのか、それとも俗説なのかについては問わないようにしてきたところがあります。

白髪は抜くと増えるという俗説の真偽

白髪を抜くと増えるというのは、白髪が増え始めたときには実感する人が少なからずいます。抜いたから増えたのではなくて、増える時期に、たまたま抜いたというのが、そんな俗説の要因と言えそうです。白髪は黒髪のもとのメラニン色素を作り出す色素幹細胞がなくなるか、色素幹細胞の働きの低下が原因と考えられています。
抜いた白髪が、そんなに時期を開けずに抜けるサイクルにあった場合には、抜いたからといって毛根にダメージを与えることはないとしても、まだ元気に伸びている状態の白髪を抜くと毛根がダメージを受けて、生えにくくなることが懸念されます。
白髪を抜いたら、その後に、元のような黒髪が生えてくるならまだしも、色素幹細胞に原因があるなら、抜いた後に生えてくるのも白髪です。将来のことを考えるなら、抜くという選択はしたくはないものです。
白髪にまつわる真偽ネタとしては、「白髪は黒髪に戻らない」ということは以前から言われてきました。先ほどの色素幹細胞のメカニズムからいえば、それは正しいといえそうですが、そうとも限らないということが最新の研究で判明してきました。それは、東北大学大学院生命科学研究科の福田光則教授による女性の毛髪の研究です。

白髪を黒髪するための方策

白髪が黒髪に復活するのかということの真偽を知るには、まずは白髪メカニズムについて明らかにする必要があります。以前から言われていた色素幹細胞のメラニン色素を作り出す能力の低下については明らかにされていたものの、これは完全に色素がなくなった白髪についての研究の結果で、黒髪から白髪になっていく段階での研究というのは、されてきませんでした。
前出の福田光則教授の研究は、黒髪から白髪への移行段階に着目したもので、移行する初期の段階で何が起こっているのかがわかれば、進行を止めることも、場合によっては逆行させることもできる可能性があるということです。

黒くなれない不完全な白髪の発見

研究対象となったのは3451人の女性で、年齢は20〜70代と幅広い層となっています。先に研究成果を紹介しておくと、白髪は完全に色素が失われたものだけではなくて、色素が作られているのに黒くなれない色素があるという発見でした。
この色素が作られているのに黒くなれない不完全な白髪は、白髪が生え始めてから、あまり期間が経過していない白髪率が低い人に多く見られました。白髪率というのは全体の髪の毛のうち白髪が占める割合を示していますが、白髪は急に多くの毛髪からメラニン色素が抜けて白髪化するのではなく、少しずつ白髪の本数が増えていきます。
白髪にまつわることで、迷信のように言われていることに「激しいストレスで一夜にして総白髪になる」というのがあります。ストレスが重なると色素幹細胞が傷んで、白髪が進むことは事実ですが、それほど強いストレスがかかったということを言い表すために使われていることです。実際には一夜で総白髪ということは、白髪のメカニズムでは起こりえないことです。

メラニン色素を作る遺伝子は正常でも白髪になる?!

毛根には細胞分裂を繰り返して毛母細胞とメラノサイトがあります。毛髪となる毛母細胞とメラニン色素を作り出すメラノサイトは別々に存在していて、メラノサイトで作られたメラニン色素が毛母細胞に運ばれていくことで毛髪は黒くなります。白髪にはメラノサイトでメラニン色素が作られなくなったことのほかに、メラニン色素が毛母細胞に運ばれるルートで何か異常があり、そのために白髪になっていくということが考えられました。
このことを確認するためには、遺伝子の状態を調べる方法が使われます。不完全な白髪でメラニン色素を作るのに関わる遺伝子と、メラニン色素の輸送に関わる遺伝子があり、その発現状態が調べられました。その結果、不完全な白髪でもメラニン色素を作り出す遺伝子の発現量は黒髪と変わりはなかった、つまり低下してはいなかったものの、メラニン色素を輸送する遺伝子の一つの発現量が低下していることが確認されました。
その遺伝子はメラノフィリン(Melanophilin)といって、Slac2-aとも呼ばれています。この遺伝子が現れにくくなっていると、メラニン色素が運ばれにくくなり、徐々に白髪が進んでいくようになります。新しく生えてきた毛髪が白髪であった場合にはメラニン色素が作られない状態であっても、黒髪から徐々に色が抜けていって時間をかけて白髪になっていくのはメラニン色素が毛母細胞に運ばれなくなっている状態です。

白髪が改善の可能性

メラニン色素を作る遺伝子は正常なのにメラニン色素がもうぼ細胞に運ばれなくなったような状態では、黒髪に戻せる可能性があるということですが、戻すための方法として一般に言われているのは栄養改善、血流促進などです。そのほかにも大きな原因があって、頭皮の炎症を抑えることで白髪が増えにくくなることが確認されています。頭皮に赤みが出る慢性炎症は、頭皮の常在菌が不足したために炎症を起こす細菌が増えることで発生しています。無害な常在菌の状態を保つためには、頭皮を清潔な状態に保つことが必要ですが、洗髪のしすぎは常在菌を減らすことにもなります。
自毛植毛は薄くなった部分に移植するものだけに、同じ色の毛髪でいたいものです。そのためにも白髪のメカニズムを知って、毛髪の状態も色彩も保つようにしたいのです。

加齢に伴う白髪化の新たなメカニズム
https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/date/detail—id-50251.html