薄毛の人は若いうちから抜け毛が始まっていると思われているところがあり、40歳ころまでに薄毛になっていなければ、それ以降も大丈夫と考えてしまいがちです。
しかし、その考え、安心感は間違いであることを気づかせてくれるような調査結果が発表されました。その調査は「『あの頃の自分』に関する調査」で、アルファウェイがインターネット調査で、40〜60代の薄毛の男性1134人を対象としています。
自毛植毛手術は、薄毛の悩みを大きく改善してくれる治療法ですが、食事やヘアケアを全くしなくてよいわけではありません。むしろ、改善された状態を維持していくため、適切な食事やヘアケアは重要です。乱暴に扱えば、状況が悪くなるという事実は、髪でも仕事でも変わりません。
自分が薄毛とは考えていなかった
調査で聞いているのは20年前の自分のことで、この20年間というのは的確な対策をしなければ薄毛が進んでいくのに充分すぎる期間といえます。
まずは「20年前に今の頭皮を想像していましたか」との質問をしていますが、「少しは想像していた」が36.8%、「ある程度想像できた」が26.6%、「全く想像すらしていなかった」が25.4%と多く、「容易に想像できた」が6.4%、「確信していた」が4.9%でした。薄毛は遺伝が関係していることから、父親や親戚の頭皮を見れば想像がつくのかと思ったら、案外と自分のこととして想像をしてない人が多いことがわかりました。やはり、自分は違うはずという希望的な思い込みがあり、その状況になるまで現実を受け入れない傾向があるようです。英雄ジュリアス・シーザーは、『人は見たいものしか見ない』と言ったと言いますが、その見立ての正しさがここでも分かります。
若い頃の生活スタイルと薄毛の関係
「当時の生活スタイルを教えてください」との質問(複数回答)には、「不規則な生活」が44.9%、「喫煙者」が42.0%、「肉中心や脂っこい食生活」が41.8%、「睡眠不足」が37.6%、「ストレスフル」が31.6%。「浴びるほどお酒を飲んでいた」が19.5%と続いています。この結果を見ると、毛髪によくないことが見えてきます。乱れた生活は毛髪に悪影響を与えるということは広く知られていることですが、なかなか実践ができず、その結果を実感した人の返答には重いものがあります。
そこで薄毛で悩んでいる人に「当時の生活スタイルを後悔していますか」と質問したところ、「はい」が43.5%、「いいえ」が56.5%と、案外にも「いいえ」のほうが多くなっていました。今さら後悔しても仕方がないと考える人が多いのでしょうか。
半数近くは20年前の生活を後悔しているというわけですが、「薄毛を自覚してから対策を講じては遅いと思いますか」という質問をしています。これについては「はい」が67.4%、「いいえ」が32.6%で、自覚してから対策をしても手遅れだと感じている人が多いことがわかります。
まだまだ自毛植毛についての情報が一般的でないため、薄毛になると対処をすっかり諦めてしまう方が7割近くいることになります。
20年前に戻れるなら何をするか
今さら後悔しても仕方がないという考えがあるのは当然ではあっても、「20年前に戻れるとしたらどんな対策を行いますか」という質問をしています。これに対しては、「規則正しい生活を送る」が30.3%、「養毛剤やスカルプエッセンスを使う」が28.2%と、僅差ではあるものの生活改善派のほうが上回っていました。本来なら両方をすべきでしょうが、質問が複数回答ではなく、単一回答であってために、このような結果になったと思われます。
これに次ぐのは「食生活を改善する」が16.6%、「禁煙する」が9.0%、「お酒を控える」が6.0%となっています。これも規則正しい生活の一部ではありますが、別の質問項目があることで、「規則正しい生活を送る」と回答した人は早寝早起き、朝ごはんから1日3食といった生活を指していることがわかります。規則正しい生活習慣の上に、脂っこい食事を控え、お酒もほどほどにして、タバコを吸わないというのは薄毛対策の重要事項ということです。
では、薄毛となった今は何をしているのかも気になるところです。「現在はどのような薄毛対策を行っていますか」との質問に対して、「何もしていない」が63.4%と最も多くなっています。対策を行っている人では、「育毛剤・スカルプエッセンス」が27.1%、「AGA治療」が4.3%、「かつら・増毛」が1.7%、「植毛」が0.6%でした。
対策としては育毛剤とスカルプエッセンスが一番多いわけですが、その効果のほどについて「現在の薄毛対策に効果を感じていますか」との質問をしていますが、「大満足」が3.2%、「やや満足」が34.0%、「やや不満」が40.4%、「不満」が22.4%と60%以上が効果に不満を感じていることがわかります。
これだけスカルプエッセンスに不満を感じていても、AGA治療やかつら・増毛、植毛と言った具体的な対処をしている方が、全部合わせても6%を超えないことが現状です。
薄毛は治療すれば、改善するという事実がまだまだ浸透していないことがその原因のひとつなのだろうと思うと残念な思いもあります。
さまざまな対策の中で最も多い育毛剤とスカルプエッセンスに時間が得られないとしている人が多いということで、薄毛対策は多くの情報を得ることが重要であるということです。
参考)
「あの頃の自分」に関する調査