冬になれば嫌でも遭遇する静電気。それが「バチッ」と発生するのは一瞬ですが、痛みも僅かながら感じるため、不快な気分にもさせます。
人によっては髪の毛を整えているときや、櫛でとかしているときによく起こります。
静電気というものはどういうもので、なぜ髪を整えているときに発生するのでしょうか。そして発生を完全に防ぐということはできるのでしょうか。
自毛植毛を検討している人も、そうでない人も役立つ髪の知識として、今回は静電気についてお話いたします。
静電気とは
物体の電気的な極性がプラス、またはマイナスに片寄った状態のことを帯電といいます。
静電気にはプラスの静電気、マイナスの静電気があり、それぞれの物質によりプラスに帯電しやすいもの、マイナスに帯電しやすいものがあります。
● 静電気の発生
二つの物体が接触すると、お互いの物質間で電子の移動が起こります。電子を受け取った側はマイナスに帯電、もう片方はプラスに帯電し静電気が発生します。● 帯電例
物体にはそれぞれプラス側に帯電しやすいもの、マイナス側に帯電しやすいものがあります。それぞれの極性に帯電しやすい物質を順番に並べたものを帯電例といいます。列のプラス側にある物質はマイナス側にある物質よりも、プラスに帯電しやすい性質を持っています。
例えば、ガラスやナイロンはプラスに帯電しやすい性質を持っていますが、この二つの物質が重なった場合は、よりプラスに帯電しやすいガラスはプラスに、ナイロンはマイナスに帯電します。また、発生する静電気は序列が離れているほど大きくなります。
出典 https://www.motoyama.co.jp/engineer/engion102.htm
こちらを簡単に説明します。人間も含めすべての物には電気が流れています。静電気とは、物体の持つ電荷が不釣り合いの状態、またそれによって引き起こされる現象の事を指します。実は全ての物体はプラスの電荷とマイナスの電荷が釣り合っている状態にあります。これが正常です。この電気的な釣り合いの状態が崩れると帯電するのです。プラス、マイナスのどちらが多いかによってプラス帯電、マイナス帯電になります。
髪の静電気はブラッシングと乾燥のせい?
髪に静電気が起きる最大の原因ですが、保湿不足による乾燥なのです。特に女の方は大体30代後半から皮脂の分泌が減るので、髪が乾燥しやすくなります。また体の先端部分は放電しやすい場所なのです。髪の毛の先端のほかに、指先も静電気が起こりやすい場所です。
そして、髪同士の摩擦が起きるので、ブラッシング時も静電気が発生しやすいと言えます。ブラッシング時の静電気を減らしたい場合は、帯電しやすいプラスチック製よりも、天然の素材を使ったメープル・オーク・竹などの木製ブラシの使用がおすすめです。
静電気対策について
衣類に使われる素材には、帯電しやすいものがあります。
麻、綿、絹などの天然繊維は、水分を含みやすいため、静電気を帯びにくいのです。しかし、化学繊維は吸湿性が低いので、帯電しやすいです。
プラスに帯電しやすい素材はナイロン、ウール、レーヨン。マイナスに帯電しやすい素材はアクリル、ポリエステル、アセテートなどです。
静電気を防ぐには乾燥対策が大切です。肌の保湿はもちろん、髪の毛にはヘアオイルを付けるのもいいでしょう。
そして、静電気対策として有効なものは部屋の加湿です。
空気中の水分が増えれば、自然と静電気を放電しやすくなるので、加湿器を使用する、洗濯物を室内に干すなど、加湿することを心掛けましょう。
静電気は、発生のメカニズムを理解すると、防止できるものです。どうしても防げない場合は静電気防止スプレーを使うことも検討してみましょう。