男性型脱毛症(AGA)については、テレビコマーシャルが盛んに行われるようになったことから、言葉としては知っている、ある程度の内容は知っているという人も増えてきています。
薄毛治療は、その方法が、どれくらいの効果があると思われているのかによって、他の治療法をすすめる場合でも、説得のポイントが異なってきます。エビデンス(科学的根拠)への関心が高まり、エビデンスに基づいた薄毛対策が根付いてくれば、自毛植毛のように改善の結果が明らかな薄毛治療が優位となってきます。
AGAの本当の効果を知っていますか
AGAはandrogenetic alopeciaの略称で、男性ホルモンが関係した(androgenetic)脱毛症(alopecia)という意味です。どんな男性ホルモンが関係しているのかということについては、今回参考にしたアンケート調査の中で知ることができます。
AGAの認知度について調査を実施したのは、男性美容サイトMOTEOを運営するカッコイイと、あすか製薬で、20〜50代の男性213人(20代27人、30代64人、40代79人、50代43人)を対象としたアンケート結果を発表しています。この年齢層は薄毛が気になり、薄毛対策に励もうと考え、実際に行動を起こしている年齢層なので、調査対象として適しています。
AGAは成人男性の頭頂部や前頭部の毛髪が男性ホルモンのるジヒドロテストステロン(DHT)の影響を受けることによって育ちにくいために薄毛になっていくもので、AGAは男性の30%ほどに発症することが知られています。男性の成人人口は約5000万人であるので、1500万人がリスクを抱えているか、すでにAGAになっているということになります。
初めの質問は「AGAを発症する原因に遺伝があることを知っていますか?」で、「はい」は46.0%(98人)、「いいえ」は54.0%(115人)でした。
次の「AGAの原因のひとつといわれているジヒドロテストステロン(DHT)を知っていますか?」については、「知っている」が8.9%(19人)、「名前は知っているがよくわからない」が23.9%(51人)、「全く知らない」が67.1%(143人)と、思った以上に詳しく知られていないようです。
「男性の何%がAGAを発症すると思いますか?」との質問には、10%が14人、20%が20人、30%が56人、40%が28人、50%が51人、60%が19人、70%が15人、80%が8人、90%が2人と回答していました。実際の割合であつ30%が最も多くなっていたものの、全体のバラツキからすると、まだまだ知られていないようです。
どんな薄毛対策が求められているのか
気になる薄毛対策についてですが、「将来に備えて薄毛対策をしていますか?」との質問には、「対策している」が22.1%(47人)、「対策を検討している」が33.8%(72人)、「今のところ考えてはいない」が44.1%(94人)と、他の調査とあまり変わらない結果となっています。あまり変わらないというのは実態に近いということで、それだけ確度が高い調査といえるかもしれません。
「対策している」と答えた人に「いつ薄毛対策を始めましたか?」、「対策を検討している」と答えた人に「いつ薄毛対策を検討したいですか?」と聞いています。これについては、「目に見える進行が始まる前」が16.0%(19人)、「薄毛の進行が始まり出したとき」が41.2%(49人)、「生え際の後退や部分的に皮膚が露出し始めたとき」が24.4%(29人)、「特に考えていない」が5.0%(6人)との結果となっていました。
薄毛の進行が始まり出したときというのは、他の調査でも多くなっていた対策のタイミングで、それで間に合うのかというと、薄毛対策の種類によっては、もう少し早く始めていればと後悔をすることにもなります。その点では、自毛植毛は、薄毛がかなり目立ってきたときでも対応が可能であることから、このタイミングで遅いとはいえません。
「あなたが行っている・行おうと考えている薄毛対策はどちらですか?」との質問に対しては、「育毛剤などの市販品での対策」が39.4%(84人)、「AGAクリニックや皮膚科など医療機関での治療」が13.6%(29人)、「食事改善」が8.0%(17人)、「頭皮エステなどの民間サービスでの対策」が3.0%(6人)、「禁煙による生活習慣の改善」が0.5%(1人)、「特に考えていない」が33.8%(72人)という結果でした。
養毛剤などの市販品での対策が最も多いのは一般的な傾向ですが、次いで多いのが医療機関での治療となっています。今回の調査は製薬会社が合同で実施していることから、医薬品による治療が強く求められているように感じるかもしれません。
しかし、医療機関での治療には自毛植毛も含まれています。今回の質問が「AGAクリニックや皮膚科など医療機関での治療」という質問項目であったので、別の質問内容であったら、結果が違っていたかもしれません。
これまでであれば民間サービス、食事、禁煙ということが上位に上がってきていますが、それよりも格段と多くなっているのは、画期的な改善法である自毛植毛を推進する立場からすると、とてもよい傾向といえます。
AGAの認知度調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000048304.html