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ストレスで薄毛になるメカニズム

ストレスが髪に悪影響があるといわれると「ああ、そうなのだろう」と何となく納得できる部分があります。例えば、自毛植毛手術でも、ストレスにより、ショックロスという脱毛現象があることが知られています。しかし、ストレスが何故毛髪に良くないかを問われると明確答えられる方は少ないかと思います。

そこで、今回は、ストレスが何故、毛髪に良くないかの具体的なメカニズムを説明したいと思います。

血液中のブドウ糖が増えると抜けやすい

ストレスは毛髪にはよくないとされていて、その理由として頭皮の血流の低下があげられています。ストレスは自律神経の交感神経を強く刺激します。自律神経には体を興奮状態にさせる交感神経と、それと逆に興奮を抑えて、心身ともに落ち着かせる作用がある副交感神経の2系統があります。交感神経も副交感神経も全身に張り巡らされていて、必要に応じて切り替えられています。

交感神経が刺激されると、血管が収縮して血圧が上昇すると同時に、心拍数と呼吸数が増加します。心拍数が増えるのは血管が収縮したために血液の流れる量が減って、酸素も栄養素も不足するからです。

ストレスは、血管に影響するだけではなくて、血液の質にも影響を与えます。それが毛細血管の血流を低下させて、毛髪の育成を妨げることになります。そのメカニズムですが、ストレスを受けることによって血液中のブドウ糖が多くなりすぎて、頭皮を通っている毛細血管の血流が低下することになるからです。

ストレスには肉体的なものと精神的なものがありますが、どちらのストレスであっても現状から逃れるために、そのエネルギーを一時的に作り出そうとする体の反応が起こります。そのエネルギーとなるのはブドウ糖です。ブドウ糖は食品の糖質に含まれている成分で、全身の細胞を働かせるための第一のエネルギー源となっています。血液中で余分になったブドウ糖はグリコーゲンに合成されて、筋肉と肝臓に蓄積されます。そして、血液中のブドウ糖が少ない状態になると、グリコーゲンが分解されて血液中のブドウ糖が増えていきます。

血液中のブドウ糖が多くなると、ベタベタした状態になって赤血球の一部がくっつくようになります。赤血球は直径が10μm(マイクロメートル)ありますが、毛細血管は8μmほどです。8μmというと蜘蛛の糸の太さですが、この狭い毛細血管を赤血球はつぶれるようにして通過していきます。これは赤血球が単独で動いているから可能なことで、濃くなったブドウ糖によってくっついた赤血球は変形をしたとしても通過できなくなります。そのために、毛細血管の血流が低下してしまい、頭皮の血流も低下することになるのです。

ストレスによって血液中のブドウ糖が多くなるといっても、精神的なストレスの場合には多くのブドウ糖は必要がないので、この余ったブドウ糖は肝臓で脂肪に合成されます。筋肉のグリコーゲンが減って、脂肪が増えることになると、筋肉が減って、どんどんと脂肪が増えることになります。脂肪を主に代謝させるのは筋肉の働きであるので、筋肉が減るほど脂肪が代謝されにくくなります。これがストレス太りの原因の一つとなっているのです。

血液中の脂肪が増えると抜けやすい

血液中の脂肪が増えると血液がドロドロになって、これも血流を低下させる原因となります。血液中の脂肪というと食事で摂った食品に含まれている脂肪を考えがちですが、体内の脂肪細胞には多くの脂肪が中性脂肪の形で蓄積されています。この中性脂肪は神経伝達物質のアドレナリンによって分解されて、脂肪酸となって血液中に放出されます。これは興奮状態になって多くのエネルギーが必要となったときのエネルギー源で、強いストレスがかかるほどアドレナリンが多く分泌されて、血液中の脂肪酸が増えていくのです。

血液中の脂肪酸は、肝臓に運ばれると中性脂肪に合成されます。中性脂肪は脂肪酸が3個つながったものですが、血液中の中性脂肪が多くなると、血管の中で固まって流れが悪くなるだけでなく、動脈硬化のリスクも高まります。動脈硬化は血管が硬くなり、弾力性が失われてく状態で、太い動脈から送り出される血流が低下します。そのために、毛細血管の血流は、さらに低下することになり、頭皮に送られる血液の量も減ってしまい、毛髪が抜けやすくなることになります。

ストレスは、頭皮の悪影響を与えるといっても、その多くが血液中のブドウ糖と中性脂肪の量が関わっているということで、食事で摂る糖質と脂肪の量を抑え気味にすることで対応することも可能です。もちろん、ストレスが強くならないようにすることも必要なことです。