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タバコと毛髪の微妙な関係

タバコの弊害は、色々取りざたされますが、ヘアケアの観点からもおススメはできません。もちろん、自毛植毛手術等で、現状を改善することは大切ですが、やはり日ごろの生活習慣は大きく影響します。そこで、今回は、喫煙の影響を説明します。

喫煙で血液がドロドロになる

頭皮の血流が低下すると、毛母細胞に必要な栄養成分が届けられるのが遅れるために、育毛にも影響が出やすくなります。血流を低下させる要因というと、血液をドロドロ状態にさせる血液中の脂肪の量が指摘されることが多いのですが、それと並んで注意しなければならないのが喫煙の影響です。タバコの健康への影響というと、末梢血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の増加といった循環器系のほかに、呼吸器系、消化器系への影響などが指摘されています。

タバコを吸うと血液中の酸素が不足した状態になります。運動によって酸素不足になったときには心拍数を増やして、血液を早く巡らせることによって赤血球が早く酸素を運べるようにして対処しています。運動を終えて、心拍数が元に戻ると、血流も元に戻ります。これに対してタバコを吸った場合には、赤血球が早く動くことだけでは酸素不足を解消できなくなることから、別の方法で対処しようとします。その方法というのは、赤血球を増やすことです。

赤血球が少ないことは全身の細胞に届ける酸素が不足することから、全身に影響を与えることになります。これとは逆に赤血球が多くなりすぎると、血管の中で混雑した状態になります。特に毛細血管は直径が8μm(マイクロメートル)となっています。1μmは1000分の1mmです。これに対して赤血球の直径は10μmで、毛細血管の中をつぶれるようにして通過していきます。

全身の血管のうち毛細血管が99%を占めているので、赤血球が多くなりすぎると全身に大きな影響を与えることになるのです。これが最も大きな血液ドロドロの原因であり、毛細血管の中でも特に血流が低下しやすい頭皮に悪影響を与えることになるのです。

喫煙による活性酸素発生の影響

喫煙による循環器系への影響として、もう一つ危惧されているのはタバコを吸うことによる酸化です。タバコに含まれるニコチンやタールは有害物質として、異物を攻撃する免疫細胞のマクロファージが中に取り込んで処理をする貪食が起こります。

マクロファージの中では活性酸素を発生させて有害物質などを分解して、分解後にはマクロファージから外に排出されます。ニコチンもタールも粘度が高い成分で、すべてを排出することができずに、マクロファージの中に残ってしまいます。そのために何度も活性酸素が発生するのですが、この活性酸素は外に漏れ出します。この一連の流れによって、タバコを吸うと多くの活性酸素が血液中に残ってしまうのです。

血液中で活性酸素による酸化の影響を最も受けるのは、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールです。LDLコレステロールは肝臓からコレステロールを全身に運ぶ役割をしています。コレステロールは細胞膜の材料で、ホルモンの原料となっています。コレステロールは健康維持のために必要なものなので、血液中のコレステロールの70%ほどは肝臓で合成されているのです。

LDLコレステロールは体に必要なものであるために、マクロファージが攻撃するようなことはありません。ところが、活性酸素によって酸化すると変性LDLコレステロールという違った形になり、これをマクロファージは異物として内部に取り込んで処理をするようになります。変性LDLコレステロールを限界まで取り込んだマクロファージは活動を止めて、血管の膜の中に入り込みます。これが続くと血管が厚くなり、硬くなっていく動脈硬化が起こります。

LDLコレステロールが多いことが動脈硬化の原因と一般には言われていますが、LDLコレステロールの酸化が大きな原因であり、これを防ぐには活性酸素を消去する作用がある抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEのほかに、抗酸化物質である食品の色素を摂ることで効果を得られます。しかし、喫煙を続けていたら、これらの抗酸化成分の効き目を期待することはできなくなります。

動脈を通過する血液の量が減ると、毛細血管の勢いも弱まり、頭皮の血流も減っていくことになります。喫煙は頭皮の血流を確実に低下させることになります。喫煙を続けていても、それほど薄毛にはなっていないと言う人がいるかもしれませんが、喫煙をしていなかったら、もっと毛髪が濃い状態、丈夫な状態であったかもしれなかったと、タバコがやめられない人には伝えるようにしています。