薄毛の人と薄毛でない人との違いについては、さまざまな判定基準があるのですが、おでこの広さを判定の参考にしている人が多いようです。
これに着目して、2017年から毎年、頭髪事情の調査を実施しているアンファーが2023年の「薄毛の境界線」の調査を行い、その結果を発表しました。
薄毛の境界線の意識の違い
調査対象は、全都道府県の各100人(男性50人、女性50人)で、合計4700人、それも20代から60代の各10人とバランスが取れた調査となっています。
おでこの広さは眉毛の上から生え際までの長さとして、4〜8cmの1cm刻みの選択肢の中から選ばれています。このうち4cm、5cmと回答した人を「厳しい」、7cm、8cmと回答した人を「寛容」として、薄毛と感じる認定ラインの「薄毛の境界線」について質問しています。
その結果、最も回答数が多かった薄毛の境界線は6cmでした。6cmは指の幅でいうと4本分とされています。男女差、個人差があるものの、指4本は、おでこの広さの基準として使うことができそうです。
薄毛対策のAGA治療をしても、もとから毛髪が生えていない部位には効果が出ないことから、薄毛の境界線の感覚は気になるところです。そして、自分の元気な毛髪を移植する自毛植毛なら、薄毛の境界線を克服することが期待されます。
薄毛に厳しい人が増えた
薄毛の境界線について、長さごとに見ていくと、4cmは13.0%、5cmは13.3%、6cmは33.4%、7cmは31.6%、8cmは8.6%でした。
2022年の調査では、薄毛の境界線は7cmで、4年連続で同じ結果でした。7cmは薄毛に「寛容」という範囲ですが、今回の調査では6cmと、1cmの差ではあっても、薄毛に対して厳しく見られているという結果になっています。
今回の全回答の薄毛の境界線の平均値は6.1cmとのことでした。2022年の薄毛の境界線の平均値は6.19cmだったので、これと比較しても0.09cmのマイナスとなっていて、やはり厳しい見方をされていることがわかります。
女性は薄毛に寛容
薄毛の境界線に関する感覚に男女差があるのは普通のことで、男女別に見ていくと、4cmと5cmの「厳しい」との回答は男性が33.8%、女性が18.8%、6cmとの回答は男性が28.4%、女性が38.5%、7cmと8cmの「寛容」との回答は男性が37.8%、女性が45.4%となっていました。
2022年の調査結果と比べてみると、「厳しい」と答えた男性は4.6%増え、女性も2.2%増えていて、男性のほうが薄毛の境界線については厳しい見方をしていました。
2023年の薄毛の境界線の平均値を男女で比較すると、男性は5.98cm、女性は6.22cmと女性が0.24cm上回っていて、薄毛については「寛容」の傾向となっています。
年齢による薄毛の境界線の違い
男女別に年代による薄毛の境界線の平均値を見ると、男性の20代は5.86cm、30代は5.81cm、40代は5.89cm、50代は6.01cm、60代は6.31cmと、年代が高くなると薄毛の境界線が広くなっていきます。
20代と60代では0.5cmのプラスとなっていました。これに対して女性では、20代は6.15cm、30代は6.13cm、40代は6.25cm、50代は6.26cm、60代は6.28cmと、年代による変化はみられませんでした。
男性は薄毛に対して厳しい傾向があるものの、年齢が上がっていくと寛容になっています。これはAGAの影響を受ける男性が増えていって、年齢を重ねるほど薄毛になっていくことが関係していて、周囲に薄毛の人が増えていくほど、薄毛の境界線が寛容になっていくようです。
ケアに気を使う地域は厳しい見方
都道府県別にみると、薄毛の境界線に最も厳しいのは兵庫県で平均は5.7cmでした。兵庫県は頭皮ケアに投薬や医薬品を使用していると回答する人が最も多く、薄毛の症状で通院したことがある人も最も多いことが報告されています。
毛髪の悩みを意識して、改善しようという意識は強い地域は、それだけ他人の毛髪の状態にも厳しく見るところがあるということがいえます。
これとは逆に、薄毛の境界線に最も寛容なのは長野県で平均は6.35cmでした。長野県は現状の毛髪の状態に満足していないとの回答は全国で6番目に多く、健康に不安があるのは4番目に多くなっていました。
自分に対して自信が持てない人が多いという傾向は、他人の薄毛についても寛容になっているということがいえそうです。
薄毛の境界線
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000434.000013377.html