毛髪は血餘(けつよ)と呼ばれます。これは東洋医学で使われていることで、血液の余り物という意味があります。毛髪は血液が十分にあるときには発育がよくなり、足りなくなると抜けたり細くなったりすることを指しています。
毛髪は血液で作られている!?
血液の中でも赤血球が重視されますが、赤血球の主な役割は酸素を全身に運ぶことです。毛髪の発育のためには、毛母細胞を分裂させるためのエネルギーを作り出すことが大切で、エネルギーは食事で摂ったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして細胞の中で酸素を使って発生させています。
酸素は重要で、血流をよくして赤血球が酸素をスムーズに運べるようにすることが大切であることは間違いがないことですが、肝心の毛髪の材料がなければ健康的に発育させることができなくなります。
何を食べればよいのかについては、薄毛対策のために食事改善をした女性100人のアンケート調査が行われていて、その方法で改善を実感した人、実感できなかった人、どちらともいえない人が、ほぼ同じ割合でした。
毛髪に効く食品
効果があったという返答の中に見られる食べ物としては、豆類、海藻類、たんぱく源(肉、魚、卵、乳製品)、ナッツ類、プルーンなどがあげられています。豆類はたんぱく源で、海藻類はミネラルが豊富であり、黒い色から元気な毛髪をイメージさせます。ナッツ類もミネラルが豊富です。
毛髪はたんぱく質のケラチンが全体の85%を占めています。人間に必要なアミノ酸は20種類ありますが、ケラチンは18種類のアミノ酸によって作られているので、バランスの取れたたんぱく質が必要になります。20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成されないために食事で摂る必要があります。それ以外のアミノ酸は必須アミノ酸を材料に体内で合成されています。
必須アミノ酸がバランスよく含まれているものは“良質なたんぱく質”と呼ばれています。これに該当するのは肉、魚、卵、乳製品、大豆なので、効果があったと考えられている食品と合致しています。
食べ物と組み合わせたい薄毛対策
薄毛改善を実感できなかった食品を見てみると、こちらには効果があった食品と同じものがあげられています。ということは、
食品の摂取だけではなくて、他にも対策をしないと効果が得られにくい
ということがわかります。
これについては、「女性の薄毛対策で実践していることは?」というアンケート調査の結果が参考になります。女性レビューサイト「mellow」を運営するARINAによるインターネット調査で、200人(10〜60代以上)から回答が得られています。
その結果、「頭皮マッサージ」が124人、「ストレスをためない」が21人、「育毛料を使う」が14人、「湯シャンにする」が8人、「髪型で弱い部分をカバーする」が6人、「食事やサプリで栄養を補う」が6人、「頭皮や髪に良いシャンプーを使う」が5人、「ウイッグを利用する」が3人、「養毛料を使う」が1人でした。
画期的な解決法が知られていない
アンケート調査は自由に記載するものと、決められた項目の中から選ぶものとがあります。選択方式だと、書かれていないものは選びようがありません。今回のアンケートは選択方式で、他に画期的な解決法があっても選ばれることはありません。
その画期的な解決法として、自分の元気な毛髪を移植する自毛植毛がありますが、まだ有効性が広まっていないとの判断から今回のアンケートの項目にはあげられていません。他のアンケートには、植毛の項目として取り上げられたり、自毛植毛として単独で項目にあげられていたりすることもあります。
頭皮マッサージは多くの人が期待を寄せている方法で、ある程度の結果が得られている方法ではあるのですが、短期間で効果があるものではありません。男性の場合にはAGA治療によって効果が望めるのに対して、女性に対する画期的な薄毛治療はあまりありません。そういったことから自毛植毛について、もっと広まって、選択肢として必ず入れられることを願っています。
女性の薄毛対策で実践していることは?
https://arinna.co.jp/mellow/cosmetics-20/